こんにちはアルカスです。いつも大変お世話になっております。今回も当ブログへのご訪問、誠にありがとうございます。どうぞよろしくお願い致します。
57歳大分初老の西洋占星術師です。ありがとうございます。
いつも面白い事を書こうと思っていますが、なかなかうまくいかなくて申し訳ないです。
ちょっとでも皆さんの興味を惹く部分が、このブログの中にあったなら、それは私にとっての幸せです。
今回もどうぞ宜しくお願い致します。
このブログは西洋占星術のジャンルの一つ、ホラリー占星術について書いています。
連載21回目を数えました。本ブログのメインテーマは1647年英国で出版された、初の英語による占星術の教科書
「クリスチャン・アストロロジー(Christian astrology, 以下CAと略します)」
の302ページから319ページまである、第49章結婚の項、これは恋愛・結婚の悩み相談にホラリー占星術で答える場合、具体的にどう観ていくのか、ホラリー・チャートに出ている暗示の読み解きについて書かれているのですが、この項およそ18ページの翻訳に、本ブログは取り組んでいます。
でどれくらいまで進んでいるのかと申しますと、ようやっと304ページが終わったくらいのところでしょうか。
つまり前20回で2ページ半くらいまでしか進んでいません。自分的にはこののんびりさが良い感じのペースなのですが、さっさと先に進めと思っておられる方が、もしご覧いただいている皆様の中にいらっしゃるのであれば、大変ご迷惑をおかけしております。すみません。
ホラリー占星術とは、具体的なご質問に答える占星術です。
「近所に住んでいるらしい女性に一目惚れしたが、接点を持つことができるだろうか」
「上司は私に恋愛感情がありますか」
「最近二人の男性に交際を申し込まれた。真面目なお付き合いをしたいがどちらと付き合うべき?」
「お付き合いをしている女性は人妻。彼女はご主人と別れてくれますか」
「結婚相談所で良いお相手が見つかるだろうか。入った方が良いだろうか」
本ブログは恋愛・結婚関連のご質問に特化しておりますので、 その系のよくある質問を例として並べてみましたが、基本、森羅万象あらゆる質問に、質問を受けた日時と場所のチャートで答える、いわば現場のトランジットチャート1枚で「あなたの好きな人は~」とか語っていく、恐るべき占術です。
私がご質問を受けた場合、出来る限り、チャートに出ている暗示を拾って、全てお伝えさせていただきたいと、思っています。
でも、ちょっとその為のお時間を要するのが、特に電話占いの場合ネックとなります。正直なところ、チャートを出して5分から7分くらいチェックしたいんです。でもなかなか、お待ちいただいている時間も有料ですので、お客様にご迷惑がかかってしまいますので1,2分でささっと主だったポイントを見て、お電話に戻る感じになります。
シンプルな話しか出来ない時もあり、せっかくかけてきてくださったのに申し訳ない気持ちになったりもします。
1,2分で読める内容を充実させていく事が、当面の課題です。
恋愛質問のチャートと言えば、よく思い出すことがあるんです。
私、10何年か前、イギリス人の古典占星術の先生にお世話になっていた時期があり、ある方から承ったお引越しについてのご相談ホラリーチャートをメールで見てもらったことがあるのです。
先生は私の送ったチャートを見て、こう回答されました。
「これは引っ越しのチャートではない。Boy&Girlチャートだ」と。
ぼーいあんどがーるチャート…恋愛の質問なんですか?転職したので新しい会社の傍に引っ越そうかと思っているのだが、いかがなもんか、というご質問のはずなんですが…
「恋愛のチャートにしか見えない。おそらく喧嘩別れした彼氏のことが最も気になっているのでしょう」
…実は私、その後その方に会った時に聞いてみたのです。イギリスの先生にそう言われたのだけど、と。
彼女、 大笑いされました。まさしくその通りだと。
お客様からのご質問をそのまま受け取るのは素人のやる事
プロはいただいたご質問チャートが内容にそぐうものであるか、つまり
質問内容が「本物」かどうか、チャートから読み取れなくてはならない。
そんな読みができたらかっこいいです。
…そうなれるように、勉強していきたいと思っています。
さて、話はガラッと変わりまして、
有名人IQランキング上位者の水星。人の頭脳、会話、理解、論理的思考を司る星・水星は彼らのネイタルチャートにおいては、やはり双子サインとか乙女サインとか、1室とか10室とか、そういった水星を強める位置にあるのだろうか。個々の優秀さを裏付ける占星術証明が、彼らの水星に見られるのだろうか。このようなお題が閃きまして、とりあえずその19で、30位から20位までご紹介させていただきました。もしご興味がありましたらリンク先を見てやってください。
水星が弱まるとされる木星支配サインに水星がある人が意外と多く(4人)、続いて土星支配サイン在が3人と、そういうものなのかー、と感心した所で、19位から10位までを次回以降、発表する予定でしたが改めてランキングされている人達の人選がですねえ~それ誰?って人が(おそらくアメリカでは有名らしい人が数名)選ばれてるのと、1900年代生まれの人達が大半で、現代の著名人って生まれた時間が全く分からなくてですねえ、なのでそういう人達は省きました。17世紀生まれの方でもブレーズ・「考える葦」パスカルの出生時間、探したのですが、分からなかったです。このフランスが生んだ天才の水星は蟹にあると思われますが。
よって11人ほど抜けてしまったので、すみませんがいきなり10位から1位の皆さんをご紹介させていただきます。
IQ 190 アルベルト・アインシュタイン(Albert Einstein 1879年3月14日11:30 ドイツ ウルム市)物理学者
水星牡羊3.08度 10室在 土星牡羊4.11度とコンジャンクション。
IQ 190 アイザック・ニュートン(Isaac Newton、1642年12月25日※ユリウス暦。グレゴリオ暦では1643年1月4日1:38 イギリス ウールズストロープ・バイ・コルスターワート)物理学者
水星射手20.59度 2室在 山羊2.35度で双魚金星とセクスタイル。
IQ 194 ガルリ・キーモヴィチ・カスパロフ(Гарри Кимович Каспаров 1963年4月13日23:45 アゼルバイジャン バクー)アゼルバイジャンのチェスプレイヤー。15年もの間チェスの世界チャンピオンのタイトルを保持し続けた人物。
水星牡牛7.34度 5室在 フェイス 9室在火星獅子9.52度でクォドレイト(スクエア)。
IQ 194 ニコラ・テスラ(Nikola Tesla, 1856年7月10日00:00 クロアチア スミリャン)発明家
水星双子28.07度 2室在(3室?)ハウス、トリプリシティ 蟹6.41度で土星とコンジャンクション。
IQ201 ネイサン・フロイデンソール・レオポルド・ジュニア(Nathan Freudenthal Leopold, Jr.1904年11月19日15:55 アメリカ シカゴ)アメリカ合衆国の誘拐殺人犯
水星射手8.11度 7室在 フェイス 水瓶土星15.11度と射手水瓶15.27度でセクスタイル。
IQ210 ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ (Johann Wolfgang von Goethe 1749年8月28日12:30 ドイツ フランクフルト)ドイツの詩人、劇作家、小説家
水星獅子25.57度 9室在 9月2日16:15、つまり5日後に火星と乙女山羊5.19度トライン。
IQ210 エマヌエル・スヴェーデンボリ(Emanuel Swedenborg 1688年2月08日13:32 スウェーデン ストックホルム)スウェーデン王国出身の科学者・神学者・思想家
水星水瓶0.32度 1室在。天秤25.01度逆行の土星とまっすぐトライン。
IQ225 テレンス・タオ(Terence Tao、陶哲軒 1975年7月17日15:00 オーストラリア アデレード)オーストラリア人数学者。
水星蟹7.53度 7室在 火星と牡牛蟹13.12度でセクスタイル。
IQ225 クリス・ヒラタ( Christopher Michael Hirata 1982年11月30日0:46 アメリカ ミシガン州イプシランティ)米国の宇宙学および天体物理学者
水星射手13.32度 4室在 金星と射手16.43度でコンジャンクション
IQ225 エヴァリスト・ガロア( Évariste Galois 1811年10月25日1:00 フランス パリ)フランスの数学者および革命家。
水星天秤15.25度 3室在 トリプリシティ 火星山羊22.07度とクォドレイト(スクエア)。
水星強化証明、その基本的な位置取りとして、水星は自身の支配サイン、乙女・双子にあると「性能を強める」と考えられています。
続いて在ハウスですが、1室にあるのが最も優れている、とみなされます。
逆に水星を衰弱させるサインと言われているのが、木星支配サイン射手および双魚です。
在ハウスにおいて能力減衰するのは、弱まるハウスと言われる6室、8室、12室ではないでしょうか。
今回ご紹介したランキング10名の中で、水星が支配サイン双子にあって強化されているのは、ニコラ・テスラただ1人です。
さすが発明王エジソンがその才能を見込んで自社に入れ、1年後にその才能を恐れて、追い出しただけの事はあります。
あとは
火星支配サインに水星がある人:1人
太陽支配サインに水星:1人
土星支配サインに水星:1人
木星支配サインに水星:3人
金星支配サインに水星:2人
月支配サインに水星:1人
木星支配サイン在水星の人が最も多いです。
そして上位10人の内、8人の水星が、火星もしくは土星とコンジャンクションもしくはアスペクトを形成しています。水星は特別弱まっていなければ、凶星との繋がりは知性面においてプラスなのかもしれません。
残りの2人、ニュートンとクリス・ヒラタの水星は共に射手にあり、金星とコンジャンクションもしくはアスペクトがあります。ディグニティ的に弱い水星は金星とアスペクトしていると、良化する、のかな。
そしてジョイハウス1室に水星があるのはスヴェーデンボリ。
今回のランキングは6,8,12室に水星がある人は皆無です。アングルにあるか、2,3,5,9室在ですね。
前回のランキングには、水星8室在が2人、12室在が1人、計3人、ハウス的には弱い位置にありました。そのせいかどうかは定かでありませんが、この3人のプロフィールを見てみますと、やはり平坦ではない人生を歩まれたようです。因みに3人とはスティーヴン・ホーキング、ガリレオ・ガリレイ、ボビー・フィッシャーです。
それではCA翻訳の続きに入らさせていただきます。
前回その20では304ページの34~35行
「第5に象徴星からのトランスレーションがある、あるいは象徴星間のリセプションがある、またはより動きの遅い惑星によるコレクションがある」
のコレクションまでご説明させていただきました。
今回はP304の最終行
「象徴星間に交換可能なディグニティがある」
から参りましょう。
これは横に※注釈がありまして
「すなわち一方がターム、もう一方がトリプリシティを持ち合っている、もしくは同様の交換があった場合」
リリー先生はこのページの説明だけで見る限り、リセプションとは同じディグニティを保持しあっている、つまり牡羊のルーラー火星が獅子にあり、獅子のルーラー太陽が牡羊にある場合、つまりお互いがお互いの家を交換し合うように泊まり合っている場合、これをリセプションと呼んでいます。
それとは別に、例えば
昼のチャートで水星が山羊15度にあったとしましょう。この場合この位置にあるディグニティは
ハウス(もしくはドミザイル):土星、イグザルテーション:火星、トリプリシティ:金星、ターム:木星、フェイス:火星
となります。
同じチャートで金星が牡牛11度にあったとします。この場合この位置にあるディグニティは
ハウス(もしくはドミサイル):金星、イグザルテーション:月、トリプリシティ:金星、ターム:水星、フェイス:月
となります。
水星と金星はトリプリシティとタームで支配しあう、ディグニティを交換し合っているので、
「in interchangeable Dignities」が成立すると、リリーは述べています。同じランクのディグニティ同士でなくとも、差があっても、2星によって表される2人は繋がり合えると。
続きましてCA P305 1行目です。
「月が7室にあり、アセンダントのロードか7室のロードに力を与えている場合」
も、うまくいく暗示の一つである、とリリー先生は 仰っています。
力を与える(give vertue to)ってどういう意味なんでしょうかね。
おそらくアスペクトするという意味と推察しますが、この辺はまだ理解がおぼつきません。
P305 3行目参ります。
「アセンダントに7室のロードがあるのなら、お相手の質問者への想いがより強い。7室にアセンダントのロードがあるのなら、質問者のお相手への気持ちが勝っています」
以前にもご紹介しました。1室に7室のロードがあるのなら、お相手は質問者の事が好き。7室に1室のロードがあるのなら、質問者はお相手の事が好き。と言うか質問者の気持ちはお相手のそれより勝っている、という暗示です。
「他の象徴星でも、このようであるなら最も愛している者を示します」
1室に入っている星が、質問者を最も愛している人の象徴であると、別に7室のロードでなくとも、という意味でしょうか。
7室に入っている星が、質問者を表す1室のロードでない場合、ライバルがいる、という暗示の一つなのかもしれません。
なおこの考え、1室に7室のロードがあるのなら、相手はあなたが好き説については、異論があります。
1室に7室のロードが入っているのなら、質問者(1室)がお相手(7室のロード)を受け入れている、と取り、質問者がむしろお相手を欲しているのだと、観る派も近年増加中です。
リリーの見解を採用しているのは、現代における古典占星術再興の立役者、CA完全復刻版を世に出した、私の中では20世紀偉人の1人オリビア・バークレー先生とその門下の先生方。ジョン・フローリー先生もそうです。
一方、日本を代表する古典占星術の実践及び研究家・河内邦利(Kuni. Kawachi)先生は、著書「西洋占星術 星の階梯I」(2018年)の203ページで
「7ハウスのロードがASCに入っていることは。相思相愛を示す一つの形である」
と述べています。どちらがより、ということでもなく、両者ともに好き合っていますよ、との暗示となるようです。
また
「逆に、ASCのロードが7ハウスに入っているのも相思相愛を表すのだが、質問によっては、時に相手の一方的な愛の場合もある」
アセンダントのロードが7室にあると、お相手が一方的に質問者に恋している、場合もあるとしています。
Kuni先生は2013年に出された著書「愛のホラリー占星術」P115でも、
「アセンダントのロードが7ハウスに入っているならば、彼はカレント(※質問者女性)を愛しています。」
「同様に、彼を表す7ハウスのロードがアセンダントに入っているのも、彼がカレントを好きな証拠です。」
と記しています。
7室にアセンダントのロードがある+1室に7室のロードがある
いずれもお相手はあなたに気があります、という暗示のようです。
本連載ではもうお馴染み古典・伝統占星術界のトップランナー、ベンジャミン・ダイクス氏の編集・翻訳本「The book of the nine judge」P230 ドロセウスの項でシドンのドロセウスさんはこう述べています。
「しかし7室のロードがアセンダントのロードに接近しているのなら、お相手の苦労と気遣いと愛により、結婚まで辿り着くでしょう」
お相手が頑張ってくれるよ、みたいな良い感じの暗示となっています。
「アセンダントに7室のロードがあるのなら、お相手は自分からは来ません」
…上記の一文はかなり私の意訳ですので、気になる方は是非この本をお買い求めください。
しかしロードに接近するなら頑張るが、質問者の部屋に入っていたら質問者に頑張ってもらおうとするだろう、というのも、なかなか面白い見立てです。
ではでは今回はこの辺で。
アルカス