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アルカス

2020-08-31 03:57 アルカス先生のブログ~恋愛・結婚ホラリー占星術:基礎編その7
9月の花

こんにちはアルカスでございます。いつも大変お世話になっております。今回も当ブログへのご訪問をいただき、誠にありがとうございます。

私アルカスは、西洋占星術師をやっております。西洋占星術師とは西洋占星術を用いた占いをする人、という意味です。

では西洋占星術とは?

「太陽、月含む星々の位置や動きと、地球上に暮らす人間や様々な出来事との間に、何らかの相関関係があると信じる占い」です。

 

実際の星の動き、惑星から恒星まで、その土地において裸眼で見えるもの全ての星が対象です。星々が、地球上に生を受け成長していく人間たちに、そして地球上で起こる天変地異、あるいは人為的に起こる大小さまざまな出来事に、影響をもたらすと考えます。

 

西洋占星術のベースとなる考え方は「天動説」です。

つまり地球を宇宙の中心として、他の惑星や恒星が地球の周りを回っている、という考え方です。

ですので、いわゆる占星術のチャートは円になっていて、太陽と月含む7惑星+土星外3惑星が円のあちこちに書かれているんです。彼らは円からはみ出すことなく、毎日何らかの移動をしています。円の中心は間違いなく地球です。

いや、あのう、知ってます知ってます。もちろん16世紀のコペルニクスから始まって、ティコ・プラーエ、ガリレオ、ケプラーにニュートン。彼らの観測と研究によって出された新論が、17世紀に至り地球中心説、プトレマイック・システムを葬ったということ、存じ上げております。それは分かりますし、全く異論はないんですが、じゃあ地動説で占星術を説明しましょうというのが、まあそうしている方もいらっしゃるんですけど、ちょっと私からすると、難しいんですね。なんと言っていいのか。

西洋占星術は紀元前からの天文学に寄り添って発展しており、2世紀エジプトの超スーパー物知り大学者プトレマイオスが完成させた(と言うかそれまでの説をまとめた)天動説が西洋占星術の根幹を成すと言って過言ではありませんので、天動説で説明するのが一番シンプルで分かりやすいんですよ。なにせ、見たまんまですので(笑)。ええ、昼の太陽、夜の星々を見たまんま、チャートに表す世界なので。ですので一応私の考えとして、天動説は西洋占星術の中で生きています。死んではいません。非科学という名のゴミ箱の中に放ってあっても、私の目には光り輝いて映っています。 

 

西洋占星術は4つのジャンルに分けられています。

人が生まれた瞬間、生まれた土地の空に瞬いていた星の配置で、その人の外見的特徴から、体質、嗜好、人となり、人生に起こる全てを予知予言しようとする試みが「ネイタル占星術」です。

国や街の「誕生日時」、その国や街の空に瞬いていた星の配置で、その国や街に起こることを予知予言しようとする試みが「マンデン占星術」です。

店の開店、会社の登記、結婚、家の購入など、その人の人生での大きな「始まり」の日時に、良い星の配置がある日時を選び、以って事業の成功や発展、家庭の幸福と子孫繁栄に星の助力を願う試みが「イレクショナル占星術」です。

個人の人生に常に起こってくる悩みや迷い、質問について「質問者が占星術師に聞いた瞬間の星の配置」で答えようとする試みが「ホラリー占星術」です。

 

私は今回の連載ブログ「恋愛・結婚ホラリー占星術:基礎編」のテーマとして選んだのが、占いに来られるお客様のご質問をジャンルで分けた場合、ほぼ7割方を占める恋愛・結婚の質問にホラリー占星術はどう答えるのか、ホラリー占星術で判断する恋愛成就不成就の暗示、についてです。

勿論参考にすべきは、17世紀イギリスでロンドン市長より有名と謳われた天才占星術師ウィリアム・リリーが遺してくれた、伝統占星術の教科書「クリスチャン・アストロロジー(Christian astrology, 以下CAと略します)」P302より展開される第49章結婚の項、です。ここで書かれている占星術的暗示をぼちぼちと訳し、ご紹介していきたいなと、思っております。

 前回はCA P303 6行目より始まるアル・キンディの考え(aphorismと書いてあるので金言とか格言とかになるのでしょうが、どうも個人的にピンとこないので、「考え」で統一します)5項目の内、4項目までご紹介しましたので今回は残りの一つ、5番目の項目をまずは見ていただきます。

 

 5. 月、太陽、金星と7室のロード、アセンダントのロードがアングルにあり互いにアスペクトしている、あるいは月、太陽、金星、アセンダントのロード、7室のロードの在サインのロードが月、太陽、金星、アセンダントのロード、7室のロードとオポジションかスクエアアスペクトを作っている場合、中止もしくは延期を余儀なくされる立ち上がりだが、その後神のご意志が示され、両者合意のもと結ばれるでしょう。

 登場する惑星が多いですね…月、太陽、金星に加え、例えばアセンダントのロード(1室のルーラーの事です)が水星の場合、7室のロード(7室のルーラーの事ですね)は木星となりますので、計5つの星にご登場願わなくてはなりません。これらがアングルハウス1,4,7,10室にあってアスペクトしている、と言うのが条件ならば、ま、大体90度か180度の凶角のみとなり、他のアスペクト形成は想像しにくいです。

0度もあり、でしょうか。

あるいは月、太陽、金星、7室のロード、アセンダントのロードがあるサインの支配星が、月、太陽、金星、7室のロード、アセンダントのロードと凶角形成ならば、最初うまく事が運ばないが、神の御心に沿い二人は合意し結婚するでしょう、ということのようです。

ここで感じ取れるのは、恋愛・結婚に関わる星として、アセンダントのロード、7室のロード以外に月、太陽、金星が使用されるという事。これらがアングルハウスにある必要があるという事。もしくはこれらのディスポジターがこれらとクォドレイト(スクエア)かオポジションを形成している必要があるという事。で、最初はうまくいかないけれども、神様がうまく配慮してくれて、なんとかなるよと、そういう事なのでしょうね。

「神の御意志に沿って」(by the will of God)って一文が気になります。

何か意味があるのかもしれませんし、特別無いのかもしれません。

 

 で、アングルに月、太陽、金星、7室のロード、アセンダントのロードがあって、アスペクトかあ、とつらつら思い返しますに、私が以前、女性のお客様より恋愛関係のご質問をいただいて、立てさせていただいたチャートの中に、当てはまっていそうなのがありましてですね。思い出しました。これです。

 2020.8.31

これは「アルカスの古典占星術日記」という、私が実際にお客様よりいただいた実例のホラリーチャートを紹介する連載ブログの中でも、割と人気のある記事でございまして、5年前に投稿したのですが、今でも結構、ご訪問を頂いております。もし良かったら見てやってください。

 ホラリー占星術について、その40「私は彼とご縁がある?」

 ご質問内容としては、ある男性と知り合ったのだが、お付き合いできるだろうか、というシンプルかつストレートなご質問で、このチャート図をご覧いただけますと一目瞭然なのですが、双子サインアセンダント、射手サインディセンダント、つまり双子サインに1室のカスプがあり、射手サインに7室のカスプがある、形となっておりまして、1室のロードは双子サインの支配星・水星。7室のロードは射手サインの支配星・木星となります。この2星が水星は4室、木星は10室にあり、つまりはアングルハウスにあることになります。

そして水星は木星と180度のオポジション・アスペクトを作るべく接近しています。アル・キンディが言っているそのままの暗示が、本チャートで再現されています。

更に月がアセンダントのロード水星の在サインのロード、水星はもう一つの支配サイン・乙女にありますので、在サインのロードも水星ということになる訳ですので、月と水星が90度のクォドレイト(スクエア)・アスペクトを作っているのは、暗示に当てはまっています。

もう一つ月は双子サインにあり、月の在サインのロードも水星でございまして、月が月の在サインのロードと90度のアスペクトを作っていると、見做して良し、となります。

いやー付き合えるよ、という暗示が、私が確認しただけで3つ、あるんです。

それが良かったのかどうかわかりませんが、お二人はその後付き合いだしました。結ばれた訳です。特別に難しくはならず、割とスムーズに。

残念ながら諸般の事情あり、結婚までは行き着きませんでしたが、数年お付き合いされていたと記憶します。

ですので、キンディが述べているような、最初結構障害あり、うまくいかない的な書き方は、本チャートでは既にお二人の社会的立場・条件的な差と言いますか違いによる難しさを伝えているのかな、と想像を巡らせてしまいます。

後、この項では最大5つの星、太陽、月、金星、アセンダントのロード、7室のロードが、という書き出しになっていますが、必ずしも全ての星がアングルにあってアスペクトしている必要は無く、また5つの星に対して彼らのサインロードの全てが凶角形成している必要もなく、本チャートにおいては1室のロード、7室のロードがアングルにあってアスペクトしている、月が在サインのロード、1室のロードの在サインのロードと凶角を形成している、これだけで恋愛成就の暗示となりうる事を、とりあえず私の立てたチャートは証明した、と申し上げられるかと思います。

 

あのう、私のリンク先の文章を読んでいただければわかると思いますが、私は決して、あのブログを書いた当時、キンディの一文が念頭にあった訳ではありません(笑)。別の読み方でこれならいけると踏んだのですが、こうやって改めてCAを読み返す中で、偶然にもキンディの手法が私の手掛けた質問チャートに当てはまっている事に、今更ながら気づいたわけで、何と言いますかリリーやキンディとのご縁を勝手に感じつつも、勉強は手を抜かずしっかりやっておかなければ駄目だなと、我が身を省みる次第です。

 

…なんか今回もこの1項だけで終わってしまう雰囲気なのを許してください。

 専門用語の羅列でげんなりしてしまいましたら、それも許してやってください。出来る限り分かりやすく、面白く書けるように、これからも精進してまいりますので、今後ともよろしくお願い致します。

 

では最後になりましたが、今回の文章についてなのですが、CAに載っている上記のものと「The forty chapters of al-kindi」P218に載っている文章は、またしても少々違います。

 そちらの方をご紹介して、今回の締めくくりとしたいと思います。

今回もお付き合いいただき、本当にありがとうございました。

 

522:太陽と月と金星、更に7室のロードと1室のロードがピヴォット(Pivot:直訳では「軸」だが、占星術用語としてはアングルと同義語です)にあるなら、そして彼らのロードにアスペクトされていて、強化されているのなら、結婚の期待は完全に消滅する方向に進みます。その後、象徴星の進行がアングルに届く、指定された日もしくは月もしくは年に成されるでしょう。

※その後、から下が、なんだかよく分からないと思います。本の注釈にはネイタルの手法をぶち込んだんじゃないかと書かれています。興味を持たれた皆様方には是非、The forty chapters of al-kindiをアマゾン辺りで手に入れて、読んでみていただければと思います。

 

 

 

アルカス