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2021-06-08 16:07 アルカス先生のブログ~恋愛・結婚ホラリー占星術:基礎編その16
2021.6

こんにちはアルカスでございます。いつも大変お世話になっております。今回も当ブログへのご訪問、誠にありがとうございます。 今回もどうぞよろしくお願い致します。

また初めて私アルカスのブログをご訪問されたという皆様、おられましたらどうも初めまして。読んで気に入っていただけましたら、末長いお付き合いを今後宜しくお願い致します。

 

このブログは

ホラリー占星術

を主に扱っています。

ホラリー占星術は西洋占星術の占術の一つです。

お客様の具体的なご質問、ご不安やお悩み事に答える占星術です。つまり

「今付き合っている彼女は他に付き合っている人がいますか」

「鞄の中にあるはずの携帯が無い。会社に置き忘れてきたのか、別の場所か」

「中学からの親友のラインが途切れて3か月経つ。彼女は何を考えているのだろう」

「時たまに左腹部に激痛が走るが、これは大病の証だろうか」

「最近付き合いだした彼氏は仕事をしていますか。それとも無職ですか」

このような個別具体なご質問、今お客様の目の前にあり、その心を不安と心配で覆ってしまっている事柄に、

占星術師がその内容を理解した瞬間の星の配置図、まさに今の星の配置から読み取っていこうとする占術が

ホラリーです。

 

ここにお客様のネイタルの太陽は、ほぼ関与してきません。

ホラリー・チャート上の太陽の位置も、それが「象徴星=シグニフィケイター(Significator)」でない限りは、あるいは象徴星の傍にあって、何らか影響を及ぼしている存在であると認められないのなら、さほどの意味を有さない場合が多いです。

たまに太陽について聞かれる事がありますので、記しておきます。

(※但し恋愛ホラリーの場合、ホラリーチャート1枚のみで判断するのではなく、ご本人のネイタルチャートもあった方が良い、場合があります。これはまた別の機会にお伝えします)

 

それから

「相手が自分のことどう思っているかなんて、直接自分で聞きゃいいじゃん」

と仰る方がいます。

これは占星術を「当て物」と捉えられることを嫌がる、現代占星術系のとある先生が、よくそのように仰っていたのを覚えています。

 

私は恋愛系のご質問、実は大好きですので、もう喜んで、喜んでホラリーで観させていただいております

 

昔、電話占いの会社に入り、仕事として電話占い師を始めた頃、日曜日を除くほぼ毎日掛けてきてくださるお客様がいらっしゃいました。

毎日何を聞かれるのかと申しますと、「職場の後輩の彼は私の事をどう思っていますか」でした。

これを約2か月間、寸分違わずこれのみを聞いてこられました。

私は当時、17世紀イギリスの天才占星術師ウィリアム・リリーが著した、古典占星術の教科書「クリスチャン・アストロロジー(Christian astrology, 以下CAと略します)」の復刻本や、その復刻本を編集・出版した同じくイギリスの占星術師オリビア・バークレー(1919-2001)の著書「Horary astrology rediscovered(ホラリー占星術再発見。以下HARと略します)」を入手し、とりあえずCAは460ページくらいまで、HARは22章まで何とか訳し、電話占い業に入りました。

小さい頃から星占いの本を買いあさり読んできたとは言え、本格的にどちらかの先生の下についた訳でもなく、CAやHARを中途半端に読んだくらいが看板になるはずもなく、現場占い師としてはこれがデビューの、単なる独学の素人でした。そもそも占いとは何かも分かっていませんでした。

私はこのお客様から学びました。これが占いなんだと

いやーお客さん、ホラリーで同じ質問は2度観れないんですよーとか、偉そうな事を言える分際ではありません。いつものだろうが何だろうが聞かれたら答えなくてはいけない。とは言えさすがにホラリーチャートを出すのは10日目くらいからは憂鬱になってきました。当然のことながらチャートはご質問を受けた日時の星々の配置から判断するもので、それを毎日やれば星は毎日動きますので毎日チャートは変化し、今日、昨日、一昨日、一昨昨日で結果も変わってきます。素直に出たチャートの結果を言えば「先生、昨日と言ってる事が違います。時期も先週言ってた時期より遅くなってます」と容赦ないツッコミ。もう途中からホラリーは止めて、タロットカードを引いてました(笑)。

 

占い師が何占いを勉強してきたかはお客様には関係の無い事。観てほしいと言われたら、もう喜んでやらせていただかなくてはなりません。そして今思うと、そのお客様が本当に聞きたい事項は他にあったのかもしれません。

 

好きなお相手に直接聞ける人というのは、まず占いには来ないでしょう。

またお相手の方も、恋愛的な付き合いはあるのに自分の気持ちは決して言わない人もいます。聞いてもなんだかんだはぐらかしたり、笑って頷くのみの人とか、そもそもそういう会話をする雰囲気にもっていかない、中々達者な人もいます。

 相手によって、本心を聞き出すのも、出来るようで出来なかったり、しますね。

 

出たての素人占い師が、どこを気に入られたのか2か月も連続でご利用いただけるなんて、有難い事です。中身が占いではない、雑談で終わる日もよくありました。少しでもこのお電話で元気になってくれたらいいなと、明るくなれる会話を心がけていました。そんな日々の中で、お客様の話を伺い、お客様が本当に聞きたい事は何なのかキャッチする重要さも、そのお客様から教えてもらったような、気がします。

そのお客様は3か月目に入り、3日ほど間を空けて4日目に連絡してきてくれました。その時は職場の人事移動についての話をされたと記憶しています。そして連絡が途絶えました。

今でもこのお客様の事を、思い出します。そして、その頃はとてもご質問内容について悩みましたが、今は一応整理できている…んーまだ継続案件なのかもしれません。

「私を好きか」と「私を重要に思っているか」はベクトルが違うような気がする…ん~

すみませんここは独り言です。

 

占いの現場では、恋愛以外の質問はしてはいけないと思っておられるお客様もよくお見受けします。飼い猫が何処に行ったのか問われれば、全然答えます、と申し上げるとびっくりされた事もあります。動物関係の質問を受け付けない先生もいらっしゃるようですが、私は勿論やります喜んで。

猫はどこに行きましたか戻ってきますか。財布はどこですか。携帯はどこにあるでしょう。出来る限り、チャートを読んで答えます。8割の的中率を目指しています。なかなか高いハードルですが。

 

このブログは恋愛・結婚関係のご質問をホラリーではどう答えるのか、CA P302より始まる結婚の項に記載されている内容を訳していきながら、私なりの解釈でご説明を加えさせていただく流れとなっております。

相変わらずチンタラ進んでいます。よろしくお付き合いください。

 

前回その15、ではCA P304 30行目からの、これがチャートに出ていれば恋愛・結婚は大体うまくいくだろう、とリリーが記している5項目をご紹介しました。

第1に、アセンダントのロードや月が7室にあるならば。

第2に、月が分離する惑星が、月が接近する惑星に接近するなら。

第3に、太陽と金星が、どちらかがどちらかに接近する場合。

第4に、1室のロードが7室にある、もしくは1室に7室のロードがある場合。

第5に、象徴星同士が何らかのトランスレーションにより繋がっているあるいは象徴星間にリセプションがある。より動きの遅い惑星によるコレクションがある、象徴星間にディグニティ交換がある、7室にある月がアセンダントのロードもしくは7室のロードに力を与えている。

これらのどれかがあれば、そうなります。

 

前回は2の説明までで終わっております。まあ説明と申しますか、どうなのかなーみたいな感じで次回に続くみたいな雰囲気で終わりました。

そうですね。月が直前分離する惑星と、月が直後接近する惑星との間に、接近のアスペクトがあるなら、上手くいくと書かれています。直前分離した惑星は質問者、直後接近する惑星はお相手と、リリーは指定していますがこの証明については現状、否定派が多い事は確かなようです。

英国の占星術師ジョン・フローリー(1955-)は著書「The horary textbook」(2005) P193で「見なくて良し」と述べています。

同じく英国の占星術師バーバラ・ダンも著書「Horary astrology re-examined(ホラリー占星術再検証)」(2009)P438で「月が接近もしくは分離する惑星を象徴星と見做す考えを支持できません。この手法は使えません」と記しています。

この二人の先生は共に、オリビア・バークレーの門下生です。オリビア先生が1984年より始めたQualifying Horary Practitioner(以下QHPと略します)という伝統占星術の通信講座の卒業生であり、ジョン先生はご自身の講座を設立し、執筆活動にも熱心です。バーバラ先生はオリビア先生亡き後、QHPを引き継ぎ、代表として活動中です。

 

ん~~そうですね。この証明とは直で関係ないのですが、「ホラリーは月が満ちていくモードでないと、願望成就はなりにくいんじゃねえかな?」と仰ってた人がいて、その言葉はちょっと引っかかってるんですよね…すみませんこれも独り言です。

 

次参りましょう3です。

太陽と金星が同じサインで接近コンジャンクションならば(つまりその後必ず、正確にピッタリ重なると、暦に出ているのならば、そしてこの2星の間に他の星が割り込んでなければ)、恋愛は上手くいく。ええ、これは信じられる暗示ではないかと、思われます。これは私の経験から申し上げられます。なかなか強力です。

 

4です。

1室のロードが7室在、あるいは7室のロードが1室にある。

となっているなら、恋愛は進展しそう。ん~~~この証明だけですと、さすがになかなかそうは言い切れない、と思います。これも私の経験によるものです。

てか、そんなチャートをよく見てきました。いかにもご縁がありそうな星の配置ではありますが、これだけでそう言い切ってしまうのは怖いです。

 

CA P304の最初に

「7室のロードがアセンダントにあるなら、相手は質問者からの求婚を不承不承受けます」

これはつまり、質問者の方が結婚に乗り気で、相手はそうでもないと、言っているように読めるんです。

2人の間には温度差があるんだと、言っているように見えます私の目には。

ところがですね、CA P305のこれも冒頭、リリーはこう記しています。

「7室のロードがアセンダントにあるなら、お相手の方が質問者を想う気持ちが強い」

 

…えっ?(笑)

そ、そうなんですか。。

いや、あの、前述と矛盾しているように見えるのは、私だけでしょうか。

 

 私、この連載ブログのその11で紹介しました、HARの180ページの一文は私の訳が間違っていました。

「if the ruler of the 1st is in the 7th the querent is fonder, and vice versa.(1室のルーラーが7室にあるのなら、 質問者側が好きです。逆なら逆です。)」

これが正しいようです。お恥ずかしい失礼しました。訂正してお詫びします。

 

バーバラ・ダンは「Horary astrology re-examined」P440で同様の意見を述べています。

「7室のルーラーが1室にあるのなら、お相手の質問者への愛情がより強いでしょう。1室のルーラーが7室にあるのなら、質問者側のお相手への愛情が勝っています。実際このようになっている象徴星で表されている人物が、最も愛している側です」

リリーもCA P305で同じことを言っています。次の回でご紹介できると思います。

つまり質問者の象徴、1室のロードがお相手の部屋7室に入ってデトリメントならば、質問者がよりお相手の事を好きで、7室のロードが1室に入ってデトリメントなら、お相手がより質問者の事を愛している、と、考えるようです。

 

女性のお客様からご依頼を受けました。「彼は私の事が好き?」

出したチャートは、7室のロードが1室に入っている。

 「ええ、勿論!!彼はあなたの事が好きですよっ!!」

 

…さあ、そう出ているから、そう言っちゃえるものなのだろうか。

言えるだろうか…

 

ん~~怖いです。

 

多分次回に続きます。

 

アルカス