こんにちはアルカスです。 いつも大変お世話になっております。朝鮮民主主義人民共和国、日本では「北朝鮮」と呼ばれている国(本稿では以下「共和国」と記します)の朝鮮労働党委員長であり、共和国の実質的な最高権力者・金正恩氏のネイタルチャート解読はのんびりながらも続いて今回で第5回です。どうぞよろしくお願い致します。
金正恩氏 1984.1.8 6:58 平壌
※本チャートのデータは各種各方面からの情報に基づくものです。共和国はこの種の要人データを一切公表していません。
今回は正恩氏を表す星・土星が11室にある事について、考察していきたいと思います。11室とはなんでしょうか?
まずは現代における伝統占星術の第一人者であり、イギリスで今最も著名な占星術師であるデボラ・ホールディングの著書「The houses」より、11室について説明している項を一部抜粋します。
「伝統的に幸運の室として知られていて、友人・親交・支援者・後援者を表します。また希望・信頼・賞賛・心地よさ・目標とその達成等を支配します。」
続いて16世紀フランスの占星術師クラディウス・ダリオットの著書「A Brief and most Easy Introduction to the Astrological Judgement of the Stars」より、11室の項を訳します。
「良い魂と呼ばれている11室について:11室は希望・信頼・親密さのハウスであり、従者・王からの援助、また王からとても気に入られ、大事にされる人物のハウスでもあります。称賛されたり表彰されたりすることについて検討する部屋でもあります」
もう一人の意見も聞きましょう。13世紀イタリアで神聖ローマ皇帝フリードリヒ2世の占星術顧問を務めた大占星術師ガイド・ボナッティの著書「Liber astronomiae」より11室の説明です。
「11室は幸運・信頼・希望のハウスです。ザエル(※8-9世紀に活動したアラビア【シリア?】の占星術師。プトレマイオスの「アルマゲスト」をアラビア語に最初に翻訳した人として知られている。)は中天のアングル(MC)に続くもので、王の財産、王からの返礼もしくは贈り物、王の騎士、歩兵(近衛兵?)もしくは援軍を指すと記しています。王や第一王子に付き従う者、称賛や表彰、息子たちも表します。」
3人共、生きている時代も場所も違えど、大体同じことを言っているのです。つまり11室とは
・基本、幸運と希望の部屋。
・王様に気に入られ、その傍や近くにいる人たち。
・上位者から表彰されたり称賛されたりする。
伝統占星術ではこんな感じです。王、今なら社長とか上司から気に入られて出世コースを歩む人って何か良いですよね。理解してくれるスポンサーがすぐに見つかって起業するって嬉しいです。11室はそういう、夢や希望が具現化する部屋です。
現代占星術では「友達」に力点が置かれていたりします。僕は友達という言葉に悩む時があります。友達って何?って。
私の友達が、ってお客様に言われた時、若干戸惑います。本当に友達?単に会う機会の多い知人、知り合いとか、よくつるむ同級生、同僚とかじゃなくて?
占星術で11室が意味する友達って、もっと濃い感じがするんですよ。それこそ小さい頃からの幼馴染で家族・兄弟レベルの親密さ。成長しても関係は変わらず一心同体、こいつの為なら一緒に死地に飛び込んでやるくらいのね。
金貸してくれって言われたら、財布ごと渡せるくらいの。逆に渡してくれるくらいの。
突き放して相手の成長を促すのが本当の友情だとか、そんな上からな感じじゃないんですよ。そうじゃないんです。一緒に悩み苦しんでくれる人です。
そんな友達、いますか。僕はいません(笑)
お客様からお友達関係の質問を受けた時、それが昼一緒に過ごすくらいの同僚の事なのか、おそらくかけがえのない「友人」のことなのか、お客様に関係性の深さを聞いたりもします。
11室より7室(同僚、クラスメート、知り合い、縁のある他人の部屋)で観た方がしっくりくる事が、たまにあります。
少し占星術話が長引きました。正恩氏の本星・土星はこの11室に入っています。良い位置取りで王位を継承する人だと以前書いた気がします。
そして彼は他人に褒められたり、喜ばれたり、認められたり、称賛されたりすることを望んでいるように見受けます。逆に無視されたり、けなされたり、馬鹿にされたりするとちょっとダメかもしれません。
猜疑心強く、孤独を厭わないタイプですが、根本の善意を信じる面もあり、自分を受け入れてくれる「仲間」や「友人」を心のどこかで求めている人なのかもしれません。
11室を支配する蠍サインの守護星・火星はかなり状態が悪く、とても目立つ位置にあります。
もうちょっと続きます。
アルカス