こんにちはアルカスです。いつも大変お世話になっております。
ご訪問いただき、誠にありがとうございます。
28年前ご実家のお引っ越し最中に紛失した、ご質問者様が大事にしていたお人形さん、ひな人形とサイクリングユッコちゃんを入れた箱は一体どこに行ってしまったのか。やはり外部の人間によって持ち去られてしまったのか。それとも家のどこかにあるのか。
この連載記事は私、アルカスがご質問者から承った上記のご質問より出させていただいたホラリーチャートを、17世紀イギリスの偉大な占星術師ウィリアム・リリーの著書「クリスチャン・アストロロジー(Christian astrology:以下本稿ではCAと略します)」に記載されている占星術証明・暗示より読み解き、お人形さんの所在にじわじわっと迫ろうという企画です。
今回で5回目を迎えました。ゆっくり進めたいと思っているので、是非皆様方におかれましてはよろしくお付き合いの程をお願い致します。
前回の記事で私はCAの文中
「誰かに持って行かれた」
暗示を一つ、発見しました。それはP333の21行目から23行目にかけての文章
「月が2室のロードからスクエア・アスペクト後、分離しているのなら、品物は誰かに持って行かれた・盗難に遭ったのです。」
にピタリ当てはまる月と2室のロード分離が見受けられましたので、お人形さんを入れた箱は何者かによって持ち去られたのだと判断しました。以下が私が立ち上げたチャート図です。
大事にしていたお人形さんは何処へ?2018.5.21 17:08
月は獅子サイン19度33分、10室にあります。この星はアングル・ペレグリンになっていて、ウィリアム・リリーが再三CAの中で書いている
「アングルハウスにあり、ペレグリンの惑星は盗難事件の【犯人】である。」
論に当てはまっています。
更にもう一つ、気になる記述がありましたので、ご紹介します。
CA、P333最終行~P334 4行目までの以下の文章です。
「これら申し上げた分離が見当たらない場合、ペリグリン惑星・7THL・水星のいずれかが泥棒の表示になります。これらのいずれか木星に接近、もしくは2NDLに接近、この場合、品物は間違いなく盗まれたのです。泥棒は最初からその意志を持って来たものと見ていいでしょう。」
分離とは、2つの惑星の間に何らかのアスペクトが作られた後、離れていくことを指します。アスペクトとは2つの惑星が度数分数とも正確に60度、90度、120度、180度の角度を形成することを意味する、占星術の専門用語です。
このアスペクトから、2つの惑星の内、より速く動く方が1分でも離れた場合、つまり正確なアスペクトからどちらかが離れていった場合、これをアスペクトから分離すると言います。
逆に2つの惑星の内、より早く動く1方がもう1つの星にアスペクトを作るべく近づくことをアスペクトに接近すると言います。
説明がいまいち意味不明だったらごめんなさい。ぜひ来年開講予定の私めの西洋占星術講座にご参加いただければとても嬉しいです。宜しくお願い致します。
既に月と木星の90度のアスペクトからの分離がありますので、「これら申し上げた分離が見当たらない場合」には当てはまらないのですが、本チャートには水星と2室のロード木星との間に接近のアスペクトがあります。
水星は7室にあって、牡牛サイン13.04度順行。2室のロード木星は1室にあって蠍サイン16.49度逆行。2星は共に近づき、牡牛蠍16.35度で正確な180度のアスペクトを作ります。
よって上記のCA暗示にこの2星の動きも当てはまることになり、月と木星のアスペクト分離の暗示を補強するものと捉えました。
つまり二つの暗示は共に
「無くなった人形は、盗まれた」
ことを告げているように思われます。
もちろん泥棒を表す星として見るべきは
「アングル在ペレグリン惑星」である月です。水星もCAの記述通り、犯人の表示星になる資格はありますが、むしろ月によって表される人物像にふくらみや色どりを加えるものなのではないかと考えます。
水星は自身のタームを保持しており、ペレグリンではないからです。
まだまだ続きます。
アルカス